製造工程からリ・デザインして美的要素も時短開発に貢献する

ものづくりのトランスレーター

ビックファイヤーワークス(以下BFW)は、独立系プロダクトデザイン事務所として多様な視点から価値を提供しています。プロダクトデザイナーは国内に約2万人いると言われていますが、その多くは大手メーカーに所属するインハウスデザイナーです。独立系のデザイナーは5000人ほどと推定されていますが、彼らの中には建築設計や家具職人も含まれており、純粋にプロダクトデザインに特化したデザイナーは少ないのが現状です。そのため、私たちのようなデザイナーに出会う機会は限られており、「こんな職業の人、初めて会いました」と言われることも少なくありません。

プロダクトデザインという職業はまだ社会に十分に認知されていないため、私たちは気軽に相談できる環境を提供し、業務内容を分かりやすくご案内することを心がけています。これにより、より多くの方々にデザインの力を体験していただきたいと考えています。

現場主義のデザインプロセス

ものづくりの現場でよくある誤解として、「デザイナーは3DCADで設計はするが、現場のことを知らない」と思われがちです。大手メーカーでは、デザイナーが3DCGでデザインを行い、設計専門の担当者が3DCADで詳細設計を行うという分業体制が一般的です。しかし、BFWでは、デザインから製造までの一貫したプロセスを理解し、製作工程を考慮したデザインを提供しています。

例えば、直角の形状を3DCADで作図することは簡単ですが、実際の大量生産では射出成形機で直角を実現することは困難です。こうした問題を避けるため、設計段階で微細な傾斜を加えるなどの工夫を行い、製造工程をスムーズに進められるようにしています。このような配慮により、金型のやり直しといった無駄なコストや時間の浪費を防ぎます。

時短開発への貢献

私たちのデザインプロセスは、設計段階から製作工程を考慮しているため、製作にすぐに取り掛かれるデザインを提供します。大手メーカーからの依頼においても、デザインの閉塞感を打破するだけでなく、緊急対応にも迅速に応じることができます。

BFWでは、試作モデルの段階から製作上の要件を盛り込んだ設計を行い、金型製作に速やかに移行できる体制を整えています。さらに、各サプライチェーンの専門家との密接な連携を図り、開発企画の顧問としても対応しています。このように、製品開発のスピードを格段に向上させるためのデザインを実現しています。

総合的なプロダクトデザインのサポート

BFWでは、製作工程を勘案したデザインに加え、プロトタイプ製作や商品化に向けた選択肢のアドバイスも提供しています。例えば、鉄で金型を製作するか、3Dプリンターを使用するか、シリコン型で少量生産を行うかなど、具体的な市場ニーズに応じた最適な方法を提案しています。

プロダクトデザイナーは、各種デザイナー、設計者、製作所、コンサルタントとの連携を通じてプロジェクトを成功に導く役割を担っています。BFWでは、現場の考えや立場を踏まえた現場主義を貫き、デザイン設計においてもコミュニケーションを重視しています。独立系ものづくりのトランスレーターとして、どの立場の方もお気軽にご相談ください。私たちは、プロジェクトの成功を共に目指すパートナーとして、皆様のご期待に応えます。

製造業においてデザイン会社を運営していくにあたって

デザイン、企画の設計にジャストインタイムの思考

巷に「デザイン」と言う単語は溢れかえっておりますが、
一般的にデザインに求められるものは、華美な装飾がデザインと謳われがちです。
しかしながらデザインは、本質的には「企画の技術」であり、プロダクトデザインにおいては「新しいモノを生み出す企画力」になると思っています。その企画からまとめあげる創造力によってカタチにしていきます。
デザインの企画力は、日本においては職人の手の中にあるのではないでしょうか。
かねてより、職人の手から「道」にまで、ものづくりを昇華した哲学から人生までも含んだ高品質なプロダクトが生み出されてきました。
この職人の手から生み出す発想や創造力は、過度な美的要素を期待していると分かりにくいかもしれませんが、ここがまさしくデザイン力でありその根底はアートにまで迫ります。
その職人のモノに変化させていく、目は見えない創造力を分かりやすく、可視化していくこともデザインの役割ではないでしょうか。可視化できることにより誰もが参画できる環境を生み出し、今後の新しいものづくりに進化させていく可能性を捉えThinkしていくデザインに努めたいと思います。
時に、職人でなくとも企画を弛まぬ改善していくことで、創造力は研ぎ澄まされ美的感覚となり、生まれ出すモノからも自然を感じとれるまでの商品に昇華していきます。極限まで素材の特性を見つめ、その分析と応用は、一子相伝のようなイノベーションを生み出す革新的技術となり、ときめく商品を生み出します。

日本の製造業でデザインするのであれば、世界的名著である大野耐一著「トヨタ生産方式」はプロダクトデザイナーであれば必読です。デザイン力で最も重要な問題解決力の基本が現場レベルで表現されており、ものづくりに留まらない問題解決の本質を惜しげもなく日本人に伝えようとする魂に拝謝いたします。この問題解決に取り組む改善の工程はまさしくデザインの本質を捉えています。
低経済成長においても利益を出し続けた驚愕の改善システム、TPS(TOYOTA Product System)は、大量生産=工業デザインから、少量生産への対応=プロダクトデザインへの変化を捉えており、我々のデザイン力を発揮できる領域を生み出してくれてもいます。
かいぜんも、”KAIZEN”となり、製造業に留まらず大学の研究対象にされ、分析され、世界中の事業に多大な影響を与えています。本来は日本の手作業で作り上げた匠の技を形式知化であり、「カンバン」「ニンベン」方式と表現し他国で真似されないようにしているにも関わらず、他国のコンサルティングファームからフレームワークとして逆輸しているのは腑に落ちません、今こそ我々の日本が、歴史から有効性を証明したTPS(TOYOTA Product System)の「ジャスト・イン・タイム」「自働化」を発展させて行かなくてはならないと思います。根底に流れる人が人であるが為の充実した仕事、人への優しさのためへのあくなき改善する思想は、デザイナーが本当に目指すべき方向性を示唆してるのではないでしょうか。
ビックファイヤーワークス(以下BFW)では職人の手から感じる思考力、TPSの改善力を、3DCADなどのVirtual化の過程を発展させ、時間短縮やコスト削減にも企画力に反映させるデザイン力にも視点を注ぎ、美しいバランスのとれた世界を構築し持続させて行かなくてはならないと思います。
BFWはデザイン領域を拡大し、デザインを時間短縮や人への配慮から事業総コスト削減、利益にも貢献できるシステムに発展させられるよう努めてまいります。

デザインの力で製造設計の可能性を探る

過去の事例から時短設計を考察する

過去の依頼事例として、大手農業機械メーカーから依頼の事例を紹介します。


農業機械の部品設計における問題解決力と設計力の時短開発
「コンバインライトカバー設計の急務」

 

開発の背景

ある年の7月下旬、農業機械メーカーで稲を刈る「コンバイン」の開発会議が行われました。10月の発売を予定して開発が進んでいましたが、ほぼ完成していた機械を前に、事業部長から「ライトのデザインがなぜこうなっているのか」という鋭い指摘がありました。この指摘を受け、開発部長は急遽、ライトのデザイン改善を指示しました。すでに組み込まれているライト自体は変更できないため、カバーを追加することで対応することになりました。

しかし、発売時期は変更できず、開発期間はわずか3ヶ月しかありませんでした。開発スピードを上げるため、取引先や専門家の協力を得ることになりました。

厳しいスケジュールでの開発から依頼

専属デザイナー、金型製造会社、機械メーカー開発部と協議している間に、スケジュールはさらに厳しい状態になり、金型製作会社から、通常1ヶ月半かかるものを1ヶ月で行うこととしても、厳密な開発期間は2ヶ月ない状態となった。(※そもそも通常の開発期間は、1つの部品を0から開発製造するのには半年程度は必要とされている。)期間が短すぎるため専属デザイナーだけでは対応が難しいと結論となり、デザインと設計を同時進行で進めることができるデザイナーを探すも見つけられない状態で挫折したかかったその時、救世主として現れたのが部品調達商社の営業マンであり、彼が紹介した設計デザイン会社「BIG FIREWORKS」でした。BIG FIREWORKSの迅速な対応力と高い設計力が評価され、即座に協力を求められることになりました。

BIG FIREWORKSの設計力

ライトカバーのデザイン承認に時間がかかり、専属デザイナーからの3DCGデータを基に設計を進めることになりました。
3DCGデータは外観のみの情報しか含まれておらず、詳細な設計には使えません。
さらに、時間短縮を図るため、農業機械メーカーの開発部長から特例として取り付け部分の3DCADデータを頂き、それを基としてほぼ0からの設計を行いました。
また、外観のサイズは開発部からメールで送られてきた手書きの図を基にする必要がありました。既存製品の現物を測定してデータ化。8月末には3Dデータが揃い、基本設計に入りました。

簡単な構造に変更することで、金型の納期を守ることができました。

取付部品の金属板(板金)の改造指示や、既存部品を取り付ける方法、金型構造の検討などを行いました。製品設計に入り、金型構造を考慮した設計を3DCADデータ化し、機械メーカーの開発部や専属デザイナーと一緒に検証し、問題点を提示しました。既存のライトを取り付けるための穴が必要でしたが、その穴があるために金型の納期が遅れる可能性がありました。金型は単純な構造にしないと時間がかかるため、できるだけ簡単な構造にする必要がありました。

そこで、穴の形状を丸ではなく、片方を貫通させた形状に変更し、金型構造を単純化することで、納期内に金型製造を完了させることができました。

BIG FIREWORKSの設計チームは、取付部品の改造指示、既存部品の取り付け方法、金型構造の検討など、複雑な設計課題に迅速かつ的確に対応しました。5日間で3DCADデータを作成し、検証の結果、金型の穴の形状を変更することで構造を単純化し、納期を守ることができました。

 

 

 

 

部署間の調整と発想の転換

設計の進行中、専属デザイナーからは稲の穂がライトカバーに当たる可能性を指摘され、角のRを大きくするなどの修正が加えられました。耐候性の観点から素材の選定も行い、通常のABSに加えてポリカーボネートも検討しました。
BIG FIREWORKSはプロトタイプの製作が困難な中、3DCAD上での検証により問題点を洗い出し、組立工程では工具の3Dデータを用いてイメージ共有を図りました。その結果、組立部署との調整もスムーズに行われました。

製品完成
最終的に、金型製作は1ヶ月で完了し、製品は10月に無事発売。これは部品の最短開発記録となりました。今回の経験を通じて、異例の短期間での調整力と問題解決力が求められました。

BIG FIREWORKSの貢献
この成功は、当社の高い設計力と迅速な対応力があったからこそ実現できました。通常1年単位で行われる機械関連の部品開発を、3ヶ月という短期間で成功させたことは、当社の実力と信頼性を示すものです。このように、当社は困難な状況においても的確な判断と優れた技術力でプロジェクトを成功に導くことができる企業であることが認知された事例となりました。