ものづくりの問題解決をデザインする会社として駆け抜けてきました。
プロダクトデザインとは、産業・工業において、美しさ、使い心地(ユーザビリティ)を追求した結果、製品の商品性を高めていくということなのですが、デザインという言葉の響きから、一般的にちょっと気の利いた格好がいいものをデザインすることと思われるかもしれません。
しかし、この「物」を制作する過程には、想像以上に様々な問題が発生してきます。
製品の素材強度やコストの問題、販売方法、市場調査、人件費や締め切りといった、「物」だけではない「事」の対応が次々と必要になってきます。「物」を設計・デザインするということは氷山の一角であり、水面下の、ありとあらゆる「事」の見通しと調和をはかることが、本当に世の中に役立つ製品を生み出すことにつながっていくと思います。この、「物」と「事」を上手く調和させていく事が、本当の意味でのプロダクトデザインの仕事だと感じ、3DCADに解決案を織り込む設計を中心に、ものづくりを総合的にデザインする会社を目指してきました。
しかしながら、最近では予想がつかない社会の変化に対して、どのような商品を目指せばいいのか、またその商品開発を通して自社の方向性の相談が増しました。デジタル化がGAFAM等、巨大プラットファーマを産み出し、スマホの普及に代表されるように常識を変えてきました。
常識も変わり、明らかに問題だったことも そもそも問題ではなくなり、何が問題で何が正解なのか掴めない時代には、問題を探し出す必要が生まれ、またその解もやってみなければわかりません。ビジネスはスピードが増し、過去の踏襲だけでは解決できなくなりました。急激な変化が将来おさまることは期待できず、そもそもの問題を正確に掴むことができないと覚悟を決める段階に入っていると思われます。
問題が次々と生まれることが悩み事だったのが、問題が見えない状況では解決策を検討すらできず、どこから始めればいいかの見当もつかなくなっている状況はとても不安な気持ちにさせます。以前の問題が悩みだったのが逆に安心できるようになり、現状の不安の元を探る問題発見を依頼されることが我々のプロダクトデザインの仕事にプラスされてきました。
β版でリリースするように、自らが問題を見つけに行かなくてはならないようになりました。そのため、私どもも企画段階から参画させていただき、新しい目線で「物」「事」を考察し、自ら変化するための改善を含んだ企画力、問題発見する為のフレームワークなどで、共に検討することが多くなりました。そのことにより、その後の設計おいて新たなスピード化ができることがわかってきました。開発過程を変えて、企画から共創型で発想する新サービス「アイデア会議」等、企画者向けワークショップなどを提供していくことで、ハード、ソフト両面において共創するプラットフォームを整えてきました。
そこで、新たなものづくりの共通言語化の必要性から言葉の整理に留まらず、企画の段階からアイデアや発想を促すための3D model(アイデアモデル)の制作を 3Dprinterで迅速に提供し、手から感じる発想などVisual communicationを促すことによって、思考がスピード感を持って進むことも体験してきました。
言語が異なる様々な中小企業においても効果があることが見受けられることから、問題発見の依頼も対応できる新たなワークショップも構築していきます。
問題解決から問題発見への変化は、BFWのデザインの仕事をステップアップさせるのではないかと期待し、変化を皆様へのチャンスに変えられるよう取り組んでまいります。