お客様の変わる依頼から

問題解決の設計から問題発見へ

ものづくりの問題解決をデザインする会社として駆け抜けてきました。
プロダクトデザインとは、産業・工業において、美しさ、使い心地(ユーザビリティ)を追求した結果、製品の商品性を高めていくということなのですが、デザインという言葉の響きから、一般的にちょっと気の利いた格好がいいものをデザインすることと思われるかもしれません。
しかし、この「物」を制作する過程には、想像以上に様々な問題が発生してきます。
製品の素材強度やコストの問題、販売方法、市場調査、人件費や締め切りといった、「物」だけではない「事」の対応が次々と必要になってきます。「物」を設計・デザインするということは氷山の一角であり、水面下の、ありとあらゆる「事」の見通しと調和をはかることが、本当に世の中に役立つ製品を生み出すことにつながっていくと思います。この、「物」と「事」を上手く調和させていく事が、本当の意味でのプロダクトデザインの仕事だと感じ、3DCADに解決案を織り込む設計を中心に、ものづくりを総合的にデザインする会社を目指してきました。
しかしながら、最近では予想がつかない社会の変化に対して、どのような商品を目指せばいいのか、またその商品開発を通して自社の方向性の相談が増しました。デジタル化がGAFAM等、巨大プラットファーマを産み出し、スマホの普及に代表されるように常識を変えてきました。
常識も変わり、明らかに問題だったことも そもそも問題ではなくなり、何が問題で何が正解なのか掴めない時代には、問題を探し出す必要が生まれ、またその解もやってみなければわかりません。ビジネスはスピードが増し、過去の踏襲だけでは解決できなくなりました。急激な変化が将来おさまることは期待できず、そもそもの問題を正確に掴むことができないと覚悟を決める段階に入っていると思われます。
問題が次々と生まれることが悩み事だったのが、問題が見えない状況では解決策を検討すらできず、どこから始めればいいかの見当もつかなくなっている状況はとても不安な気持ちにさせます。以前の問題が悩みだったのが逆に安心できるようになり、現状の不安の元を探る問題発見を依頼されることが我々のプロダクトデザインの仕事にプラスされてきました。
β版でリリースするように、自らが問題を見つけに行かなくてはならないようになりました。そのため、私どもも企画段階から参画させていただき、新しい目線で「物」「事」を考察し、自ら変化するための改善を含んだ企画力、問題発見する為のフレームワークなどで、共に検討することが多くなりました。そのことにより、その後の設計おいて新たなスピード化ができることがわかってきました。開発過程を変えて、企画から共創型で発想する新サービス「アイデア会議」等、企画者向けワークショップなどを提供していくことで、ハード、ソフト両面において共創するプラットフォームを整えてきました。

そこで、新たなものづくりの共通言語化の必要性から言葉の整理に留まらず、企画の段階からアイデアや発想を促すための3D model(アイデアモデル)の制作を 3Dprinterで迅速に提供し、手から感じる発想などVisual communicationを促すことによって、思考がスピード感を持って進むことも体験してきました。
言語が異なる様々な中小企業においても効果があることが見受けられることから、問題発見の依頼も対応できる新たなワークショップも構築していきます。
問題解決から問題発見への変化は、BFWのデザインの仕事をステップアップさせるのではないかと期待し、変化を皆様へのチャンスに変えられるよう取り組んでまいります。

世にない商品へ、フィードバックと気づきの仕組み

イマジナル・セル
進化への扉を開く会社へ

新しい商品の開発。
近年、誰しもが体感している商品サイクルの早さ、次の商品開発の焦点をどこに当てればいいのか、常に模索していくことは毎回大変な心労となります。新しい目線を求めて、せめてヒントをと弊社に来社される方が多いのも頷けます。そんな、思いを受けとめるのもBFWのプロダクトデザインの仕事の一つです。
クライアントと共に、まず開発する道筋をつけること、そして、誰もが参画できる共創の場を提供することは、自社の技術やアイディアだけでは生まれなかった新規事業や新技術、新製品の開発につなげます。このように、新しい価値を生み出すためのプロセス設計は、BFWにおいて今では重要なサービスメニューとなっています。
スタートアップやリニューアル(製品改良やアップデート)による商品開発、どちらに携わろうとも、お客様のニーズを探し当てるプロセスが重要な鍵となることは変わりありません。
未だ世に出ていないアイデアを探すとなると、我々も気付いていない、お客様も気づいていない心の奥に仕舞われたニーズを探し当てなければなりません。顧客との継続的な深いコミュニケーションが鍵となり開発の扉を開けることが可能になります。
一見、新規開発や設計と関係がなさそうな心理学で使用されている「ジョハリの窓」のコミュニケーションスキルなどから、設計以前のコミュニケーションの質をあげることの重要性に着目し、商品開発の焦点を突き止められる確率を上げることにも拘ってきました。ジョハリの窓の4つの互いのシーン(盲点 秘密 未知 開放)から、信頼関係を深め、知識を増やし、相互理解を築き、共創パートナーシップという場が生まれていく過程の中での、フィードバックと気づきの仕組みから、自己を見つめ直すタイミングが仕組まれており、深くThinkすることで、我々自身も変容を促され開発に向かうマインドも与えられてきました。
顧客やユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れることが、製品やサービスの向上に不可欠なのはご承知の通りです。市場の反応を把握し、製品に対する期待に応えるために、スタートアップやリニューアル両者ともユーザーフィードバックを重視します。
商品開発とスタートアップ、リニューアルは緊密に結びついており、柔軟性、創造性、市場への敏感さがプロセスに求められます。成功の為には、市場に対する深い理解、チームワーク、アジャイルなアプローチ、そして顧客が参画できる継続的なコミュニケーションが重要な鍵として開発をしてきました。また、我々BFWの今後の成長にはこのリアルな共創コミュケーションの経験を活かし、更なる開発の進化の扉を開けるタイミングに入っています。

そのアナログ的なコミュニケーションアプローチの裏では、デジタル化の元になるグラフィックチップGPUの進化による3Dグラフィックスの描画表現性の向上は想像を超えるものとなり、アナログとデジタルの境目が一見しただけでは見分けがつかない表現まで可能となってきました。よりリアルになり、クラウド化してどこにいても5Gの高速通信が可能となり、優雅にビーチからでも3DCADの参画ができる開発環境も整いつつあります。スマホでも画像処理によるVisual communicationも可能となってきました。今後の商品開発における企画のプロセスは激変するとしか思えません。製図を行う際は、鉛筆、三角定規、コンパスなどからスタートし、企業に勤めてからはドラフターに置き換わり、大型コンピュターに頼らずとも、2Dから3Dへ、ワークステーションもLaptop PCになり、mobile communication networkでの作業や打ち合わせを可能にし、コロナ禍においてはリモートワークで乗り越え、古い殻を、常に脱ぎ捨てて脱皮を繰り返してきたように感じますが、今まさに変化し続けているデジタル化は、これまでの脱皮では到底思いつかないような変容を求められていると感じます。我々のプロダクトデザインの世界に巨大な地殻変動が直近に迫って地鳴りを感じているところです。

昆虫が幼虫時に脱皮を繰り返し、サナギに変態するように、思考だけでなく細胞も溶かして再構築する進化が我々に迫られています。
デザインの範囲を広げ、能力を高め、未知のお客様に出会うために、昆虫のように、翅(ハネ)という複雑で繊細な構造を取り入れて進化させていかなくてはならないと思っております。サナギの中で静かに起こる変化は、幼虫時の細胞の多くを破壊し再生されるように、今後の成長の為には過去の成長体験を一旦溶かし、成長した翅を持つ為には、今までの身体の素材を活性酸素の劇薬も時には使い自らを変化させていきます。
BFWの行動指針の一つ、「変化を楽しむ」を、チームBFWの細胞に織り畳んで小さく埋め込んであリます。
蝶が幼虫から成虫になるサイン、そのイマジナル・セルが、根気強く準備をしながら待っていたタイミングきているように思います。今まさに将来のキラキラと美しく輝き続けるための遺伝子を働かせ、我々は新たにビジョンをユーザーや顧客に新たなデジタル化を体験を提示し、共鳴していただけるように取り組んでまいります。
昆虫がさまざまな環境下で生存できる能力を獲得して来たように、新たな企画、コミュニケーション、3C CADの進化を描いていき、進化の扉を開き、ユーザーや顧客からの感動というフィードバックをいただけるまで、ものづくりの完全変態を目指していきます。

3DCADの未来と可能性

デザインを変えるリアルタイム共有

世界を牽引する米国巨大企業は、「GAFA」から「MATANA」へ、
NVIDIA
の仲間入りは、プロダクトデザインのターニングポイントになるのではないでしょうか。
我々のプロダクトデザインの作業においては、PCのジャンルの中でもワークステーションという通常より高性能なPCを選択することになります。その理由は、3D CADComputer-Aided Design)のアプリケーションソフトを扱うが為に、これらアプリケーションに認証されているNVIDIA(エヌビデア)のようなハードメーカーが提供している高速な画像処理を可能にするGPU(Graphics Processing Unit)が搭載されていなければ、作業時間を取られてしまうからです。プロフェッショナル向けのグラフィックス処理ユニットGPUを手掛けるNVIDIAの技術がプロダクトデザインと裏では密接に関連しています。
NVIDIA
がまず初めに注目されたのは、年収が一億を超えるゲームプレイヤーを出現させたeスポーツに代表されるPCゲームです。競技を支える高いフレームレートを実現するグラフィックボードとビデオカードを供給しているからです。このNVIDIAが提供する高性能なGPUGeForceシリーズ)は非常に人気で、ゲームプレイにリアルタイムレイトレーシング(光線追跡)などの最新の技術も含めるなど、3DCGThree-dimensional Computer Graphics)で描く精細な高解像度の動画やゲームにおいて実写のように滑らかに動かせる進化を可能にしてきました。
3DCGの華やかなファンタジーを描けるゲームや映像の世界とは異なり、現実にモノの製造まで担う設計の3DCADでは、素材や強度、組み立て手法を織り込まなくてはならず、PCにおける計算処理に負荷を掛ける為、3DCGより画像の描写を簡素にしても尚、ハードに更なるスペックを求めます。しかしながら、NVIDIAに代表されるようにGPUの処理コア数やクロック速度の増加など飛躍的な進化により、3DCADにおいても処理速度をキャッチアップしてきており、3DCGとの距離感は近づいてきているように感じます。また、GPUは本来、グラフィックス処理のために開発されましたが、その並列処理能力を利用して科学計算、データ処理、機械学習、数値シミュレーションなど、様々な一般的な計算にも利用されるまでになってきました。その中でも、2023年、AI(人工知能)、ディープラーニング、クラウドコンピューティングなど、新たな技術分野での活用に期待が掛かり、特にオープンAI(OpenAI)のチャットGPT(ChatGPT)に代表される自然言語処理などの最先端技術が社会とビジネスを揺るがす話題となり、その生成をハードで支えているNVIDIAが、好決算と相まって株価の急騰もあり再び注目を浴びました。
メタバースに代表される3DCGによるサイバー空間、3DCADデータを含むフィジカル空間に同じものを作り出していくデジタルツインなど、アイデアや技術のフィジカル空間での実用性を確立する実証実験の段階に入ってきました。これらの進化を実現させるハードやソフト、高速通信の性能の環境が整ってきたこから、3DCGと3DCADを内包するプロダクトデザインに刺激、進化を与え、これからのモノづくりの新たなプラットフォームの中心的に輝く存在として改めてプロダクトデザインを成長させてくるのではないでしょうか。
3DCGのゲームの開発、フォートナイトに代表されるUnreal Engineを開発しているEpic 、ポケモンGO!のUnity、これらのゲームエンジンが、仮にフィジカル社会の製造業と連動してデジタルツインの一助となれば、サイバー空間の工場と3DCADによるフィジカル空間の工場が重なり相まって、ゲームがサイバー空間となりコントローラーを働かせれば、シミュレーションは速やかに行われ、生産現場ではインテリジェンスロボットが即座に製品を作り出す。頭に描いたものを即座に実現させる技術革新が目前に迫ってます。プロダクトデザインのアイデアや発想法に至るまで、リアルゲームをするようにユーザー参加を容易にし、リアルタイムでの知識共有の魅力に引き寄せられ、新たなスピード感を持った創造力がビジネスを牽引し、おのずと多くの才能が、これらの開発に向けられるのではないでしょうか。
・グラフィック表現を変えるGPUの更なる進化
(3D CADシミュレーションの進化、サイバー空間とフィジカル空間の一体化)
・生成AIによるデータ処理とディープラーニング(アイデアや企画のヒント、ビックデータの実装)
・3D CADのアプリケーションのクラウド化(スーパーコンピューターの表現がスマホやタブレットへ)
・移動通信が5Gからbeyond5Gへ(いつでもどこでも仕事が可能に、AR(Augmented Reality)、VR(Virtual Reality)、MR(Mixed Reality)、顧客の体験も容易に)
新商品開発プロセスは、エンドユーザーがあたかもフィジカル空間でしか感じなかった使用感を、サイバー空間の段階で同じように体験でき、企画段階においてアイデア段階の開発モデル(アイデアモデル)に感想、見解、コメントなどリアルタイムにフィードバックの環境が整い、スマート工場と相互にデータを活用でき、すべての工程においてリアルタイムに3DCADと連動され、現象の理解や予測まで共有され、モノづくりを革新的に変えると共に、我々BFWの得意とする製造工程を加味したデザインに光が当たるのではないかと思っています。

「リアルタイムへ」

世界的人気を誇る日本発のリアルドライビングシュミレーター「グランツーリスモ」のポリフォニー・デジタル、「プレイステーション」のソニー、「GTR」の日産は、前代未聞のチャレンジに臨むGTアカデミーを設立。GTアカデミーとは、2008年に始まったバーチャルとリアルを繋ぐ国際的なコンテスト。e-スポーツのトッププレイヤーに、本物のプロレースドライバーになる生涯一度のチャンスを与えようというものです。バーチャルの世界で腕前を証明したプレイヤーは日産のレーシングチームの一員となり、国際レースを走るために必要な訓練とライセンスを取得させ、本物のレースカーで本物のサーキットを走り、正真正銘のプロレースドライバーにするジョークのような実話。その実話を元に、ハリウッドが「グランツーリスモ」として映画化(2023年公開)。主役の本物のプロレースドライバーを目指すゲーム好きなヤンは、後に師匠と慕うGTアカデミーのチーフ・エンジニアを務める元レーサーのジャックと共に車に乗って練習をしている際に、ブレーキが効かずクラッシュしてコースアウトしてしまう。ヤンは、ブレーキがフェード(故障)したと主張した。彼はゲームで何千回もレーシングカーに乗っていた経験からフェードしたと感じていたのだ。チーフ・エンジニアのジャンはブレーキを踏んだと主張しますが、他のスタッフに車の点検と試運転をしてもらうとヤンが言っていた通りブレーキが実際に故障していたことを知る。元レーサーがゲーマーを認めたワンシーンに、3DCADのデジタルツインの可能性をイメージさせてくれます。実在の車両やサーキットを忠実に再現したバーチャル空間からドライビングテクニックだけでなく、あたかも実装されたように溶け込んだリアルなブレーキを装着感まで表現する映像。GPUの能力を発揮させるリアルタイムレイトレーシング(光線追跡)のレースシーンは、まさに本物と見分けがつかないグラフィックデザインの洗練された美しさになっています。太陽の位置やさまざまな気候条件に基づいて、日中や夜間の時間帯や、天気、季節の表現をシミュレートした自然な光は、湾曲したクロームバンパーの歪んだ反射や、さまざまな表面上における光と影の揺れ動きなど、驚くほどリアルなディテールを再現しています。ゲームが使用する解析データから美しさ、機能美などプロダクトデザインへ強烈に刺激し、自動車メーカーが自社の3D CADデータを提供させるほど魅力的なものになっています。
これからのプロダクトデザインにおいては、開発モデル(アイデアモデル)がデジタルレプリカへ、クラウドと5Gの発展から、あらゆるものにセンサー、通信機能が取り付けられインターネットに接続され相互に通信し合うInternet of Things(モノのインターネット)、自動認識や自動制御、遠隔計測がデジタルレプリカにもますます取り入れられてくると予想されます。私どもBFWのデザインに今までの信じていたモノづくり工程が最適解でなくなり、高度な次元において新たに生み出す最適解、リ・デザインの時を迎えます。その変化は、製造業や建築、インフラ管理などにも利用され、現実の物体やシステムをデジタルレプリカに置き換えられ、効率的な運用、トラブルシューティング、予測メンテナンスなどに拡がります。プロダクトデザイナーは、仮想空間でデジタルツインの情報を直感的に理解でき、浮かんだアイデアは、リアルタイムの空間で素早く具現化を可能にし、製品の設計や改善に活かすことができます。リアルタイムのフィードバックがデザイナー自身、モノづくりを革新成長させていくと思います。これからの未来を見つめ、大企業ではすでに工場をサイバー空間化する動きが出てきて、ビジネスの創造性は、隔世の感で進んでいます。しかしながら、サイバー空間を支えている匠の技は、私どもがお世話になる町工場では、未だに3Dデータを2D図面をFAXに落とし込む作業が主な依頼のひとつであったりもします。現場の匠の技術を持つ職人や技術者の高齢化、後継者不足に伴い、デジタル化は喫緊の問題になっていますが対応策が見当たらないままです。今まで3DCADを中心にデザインを提供してきたプロダクトデザイナーとして、この目に見えない匠の技の暗黙知を次世代に繋ぐため、3DCADデータ化にしてきたように、形式知へ変えること。DX(Digital Transformation)対応を、導入で終わらすのではなく、DXの運用を共にデザインしていただけるようトランスレーターとなり匠の技を繋いでいくことが使命だと思っております。
予測不可能な時代、VUCA(ブーカ)をクライアントにチャンスに感じていただけるように、時代が変わろうともプロダクトデザインの可能性を作り出し、誰しもが直感でモノづくりに参画できる最先端技術を取り入れながら、プロダクトデザインをよりユーザーフレンドリーにし、今までものづくりに参画できなかった、マイノリティの方々をも巻き込み、新たな視点を取り入れ共創を重ね続けられる次世代のプロダクトデザインのプロセスを開発していきます。発想からトキメキまで一貫して共有する商品開発に貢献し、新しいリアル社会にも幸せを広げていきます。

誰もが未来を語れる社会を目指す

知識創造を実践するプロダクトデザインの知恵から社会を変革する

テニス選手のロジャー・フェデラーは、テニス界で史上6人目のキャリア・グランドスラム達成もし、芝コートでは無類の強さを誇り、ウィンブルドン最多8回優勝。そしてテニス界での常識だった30歳限界説を打ち破る「36歳10ヶ月」世界ランキング1位の最年長記録は正にレジェンド。連続在位記録も「237週」にも及び、不屈の精神で何度もの怪我を乗り越えたフェデラーでさえも41歳で引退。サラリーマンで40代といえば働き盛りで、会社の中でも課長や主任などの管理職になっていることが多く会社を背負って立つ年齢です。現代の平均余命から考えるとあまりにも若すぎます。フェデラーは引退後、エキシビションイベントに参加したりと大忙しだが、将来的にコーチに転身する可能性については、慎重な姿勢を見せている。どちらにしても残りの人生の選択肢は現役時代に身体を戻すことはできないため知識や豊富な経験をベースに活躍されるでしょう。
私どもの日本を見てみますと、平均寿命は、昭和22(1947)年には男性が50.06年、女性が53.96年であったものが、令和元(2019) 年には男性81.41年、女性87.45年となりました。2070年には、男性85.89年、女性91.94年と延伸も期待されます。人生 100 年時代の健康寿命が世界一の長寿社会を迎えており、戦後に比べると技術革新もあり我々は経験や知識を30年以上も積み重ねられる人生の獲得に至っています。人々が長い期間を研究や学習に費やすことがでできるようになり、経験や知識の蓄積から新しいアイデアや技術の発展が促進され、医学、科学、技術、文化、芸術などのさまざまな分野でのイノベーションまで予見できるようになってきました。
以前では、人生の大半は身体を労働に費やす時代が長く続いてきましたが、昭和30年代初期には、技術革新において「電気洗濯機」「電気冷蔵庫」「白黒テレビ」と三種の神器と呼ばれた憧れの耐久消費財があらわれ、戦前から、女性がしゃがんで洗濯することは家事の中でも重労働の一つとして代表されるものでしたが、大幅な改善から重労働とは言えないところまで解放されるまでになってきました。昭和30年代後半になると3Cと変わり「カラーテレビ」(Color TV)、「クーラー」(Cooler)、「車」(Car)と余暇の時間も生まれ娯楽を楽しめる時代へと変わってきます。平成では「スマホ」「薄型テレビ」「ロボット掃除機」などでしょうか。情報産業が台頭し工業社会から知識産業へと変革が急速に進み、家電どうしでモノが連動するIoTや自ら学習するAIなどの進化により効率化が更に促され、多くの人が思考できる時間を今まで以上に獲得できるまでになってきました。今後は、労働も健康もウェアラブルで計測され、AI管理の工場の自動化や職場の安全性が進み、危険からも解放されることにより自分自身の人生の予測も立てやすく、人々は未来への思考、創造性に向かうのではないでしょうか。
このようにクラウド、インターネット、モバイル通信など急激な変化に対しても柔軟に相互に関連させ、知識産業の成長を促されたことにより、我々BFWが望む、人々が本来持つ潜在的な創造性を引き出せる社会が見えてきた矢先、半導体の技術革新から、新たに生成AIが自然言語処理や画像生成などの分野で驚異的な進歩を見せられると、人はどこまで成長させらせるのか検討がつかなくなってきました。この生成AIの進歩は、人々が今まで経験したことがない驚異的なスピードで、今この瞬間も留まることを知らず、人の創造性を変えるほどの革新成長をし続けています。もはや知識を生業とする一部の仕事においても、この驚異的な進化のスピードに追いつくことを諦めざるを得ないところまできました。さまざまな分野やジャンルを問わず、AIの進化は人間の労働だけに留まらず知識や判断までも置き換えられていきそうな勢いです。刻一刻と「シンギュラリティ(技術的特異点)」人間を上回る知性の到来まで予感させられます。想像性を必要とするグラフィックデザインの領域は、AIには入ってこられないと思われていた分野のひとつでしたが、デジタル化がデジタルで生成したと思わせないクオリティをAIで自動生成するまでになり、もはや我々が想像してつくり得たものか、違いが見分けられないレベルに到達してきました。また、制作スピードにおいても、ロゴの制作用の生成AIや画像処理に特化したツールを用いれば、与えた情報や指示に基づいて、複数のロゴ案を、デザイナーではどれだけ迅速に行なったとしても成し得ない短時間で自動生成してくることを実感すると脅威にも感じ取れます。一方では、まだ個々のブランドや企業の特徴やニーズに合ったオリジナルなデザインを提供することには課題はあり、そのため、AIによる自動生成のロゴと人間によるデザイナーの手によるロゴ制作を組み合わせることが、現段階ではまだ最善と思われ、生成AIをいかに活用するか新たなデザインプロセスに変わろうとしています。
AI に後押しされた驚異的なイノベーションは、社会のルール作りなどは到底間に合わず、当てにできる状況ではありません。このような状況に置かれたことで、自分たちで自分たちのBFWのプロダクトデザインを根本から見つめ直す契機となりました。私どもBFWのこれだけは外せないコアな思想と業務を洗い出し、逆算的に変えないものを改めて見つめ直し、第二創業の要諦でBFWの価値観、使命、ビジョンをこのホームページに描き直すに至りました。生成AIに影響を受け、お客様だけではなく我々自身、仲間に対しても将来の方向性を示すタイミングだと感じ、思いをメッセージにしております。
これまで、プロダクトデザイン事務所として経験というより体験してきたことを活かし、デザインアカデミーを創設し、プロダクトというモノづくりとデザインの創造性をよりわかりやすく再構築していくことでプロダクトデザインを身近に感じていただけることを目指しています。クライアントが、何気ない朝に、ふと浮かんだひらめきをオープンな雰囲気で気軽に相談できる場を提供し、モノづくりの共創を支援し、創造する楽しさに貢献して暮らしに幸せを感じる世界をデザインしていきます。また、どの組織にも属さない独立系デザイン事務所という道を歩んできたこともあり、クライアントとの密接なコミュニケーションを重視してきました。そのクライアントのコミュニケーションから期待を上回る高品質なデザインソリューションを実現し、独自性や創造性を重視したデザインプロジェクトとして変わらず取り組んでまいります。
数あるデザインという言葉の中で、プロダクトデザインは、機能性と美しさを融合させ、ユーザーのニーズに応える製品を創造し設計まで行います。またそれが実際に使用可能な状態にまで仕上げなければなりません。描くだけのデザインでは済まない現実の要件や要素をまとめ上げる3DCADの設計は、製造工程全てを見渡せる場所でもあり抜本的な改善を見直す場合は実務の司令塔にもなり得ます。3DCAD設計はデザイン思考を実践してきた核心部分であり、アイデアやひらめきを知識に転換し、積極的な行動によってAIなどを取り入れ可能性を探求し、製造プロセスの実践から知恵に変えていくアプローチに磨きをかけていきます。
熱い気持ちで粘り強く実践していくことは変わりませんが、以前とは異なりSNS,クラウドファンディングなどの新たな手法を活用し、プロダクトが一瞬で世界中に広まるようなダイナミックな時代が訪れました。小さなひらめきが風に乗った種子のようにいつどこで花が開くかわかりません。最近の事例では、日本の音楽シーンに一瞬にして輝きを放った音楽ユニットYOASOBI(ヨアソビ)の事例は、プロダクトデザインにおいても刺激を与えられ感性を呼び起こされます。彼らの成功の秘密と技術においてもとても興味深さを感じます。彼らの楽曲は、投稿型SNSサイト「monogatary.com」にて公開されている小説が原作となっています。このアプローチは非常に斬新であり、ネタ切れに苦しむことのない楽曲制作を可能にします。YOASOBIは無限の元ネタを持っていることになります。2019年に公開されたデビュー曲「夜に駆ける」は、わずか1か月で100万再生を記録し、その後もロングヒットを続け、2023年9月にはストリーミングで10億回再生を突破。2023年リリース「アイドル」に関しては、リリース後、国内のビルボードジャパンのチャートでトップに飽き足らず、6月10日付の米ビルボード・グローバル・チャートで日本語楽曲史上初の1位を獲得。YOASOBIの楽曲は、特にYouTubeの動画が幅広い国で視聴されている点が特徴と言えます。
このように、音楽の流通形態も変わり小説と組み合わせ、抽象化して考えられる思考は、デザインの問題解決と通じ合うものがあり非常に魅力的に感じます。新たなアプローチから付加価値を生み出し、音楽、ファッション、アニメなどは「感性」がまだまだAIより先端を走っていることに感銘を受けます。
プロダクトデザインにおいても、人々の人生が延伸している中、未だ無限の想像力を広げることができ、AIにはできない遊びの中での創造力と冒険の世界を探索する体験は実践という楽しさから生まれ、そこにはまだまだ我々の可能性が見えます。人にしかできない進化と調和のとれた美しさを感じ取れる感性に磨きをかける行動をしていかなくてはならないと感じます。
"想像する楽しみは、心の中で広がる無限の冒険であり、作る喜びは、手から生まれる独自の創造。そして、使う楽しさは、その作品を活かし、新しい世界へのドアを開く喜びです。"
プロダクトデザインの泥臭い地味な実践を核としながらも無限の可能性を見出し、打ち上げ花火のように、キラキラと輝く心に響く商品を創作していきます。
誰もが未来を語れる夢のある社会を目指します。